9つの実践フィールド
9つの実践フィールド
北里研究所から生命科学の最前線へ
北里大学を中核とする北里研究所の使命。それは、創立者・北里柴三郎博士が唱えた実学の精神にもとづき、世紀を超えて培われた生命科学にまつわる叡智の集積をあまねく社会に還元することにあります。
縦横無尽に交わる教育・研究・医療の成果を携え、時代が求める9つの実践フィールドに向けて、その最前線を切り拓いてまいります。
縦横無尽に交わる教育・研究・医療の成果を携え、時代が求める9つの実践フィールドに向けて、その最前線を切り拓いてまいります。
オール北里の叡智を結集した
9つの実践的な取り組み
9つの実践的な取り組み
学校法人北里研究所では北里大学を中心として、各専門分野の教育・研究を深化させる一方で、その成果を臨床の場に応用する研究にも邁進しています。また、基礎研究から創薬・ワクチン開発までも一貫して担う「感染制御研究・教育拠点」や、医療協働を実践する「チーム医療教育」、健康増進と環境保全を追求する「農医連携教育・研究」、健康寿命の延伸に向けた「医工連携教育・研究」などの学際的な取り組みも強化しています。さらに、3つの大学附属病院が連携して行う臨床教育・研究、西洋医学と東洋医学の利点をいかした統合的な医療、安全で良質な医薬開発のためのクリニカルリサーチ(治験・臨床研究)にも全力を挙げてまいります。
1.生命科学の基礎的研究
医療・食・環境など多様な分野への応用が期待される生命科学の進展には、充実した基礎研究が欠かせません。そのため、「生命現象の分子機構解明とその諸学問領域への活用」を教育・研究目標の第一に掲げ、生命科学の基礎的研究を重点的に推進する一方、その成果を応用研究につなげています。
2.チーム医療教育プログラム
4つの医療系学部と2つの専門学校を合わせて14職種に及ぶ国家資格の各領域をカバーし、いずれも高い評価を得ている実績をふまえ、より安全で良質な医療を実践するプロフェッショナルの育成をめざしています。「チーム医療教育プログラム」はその一環であり、医療チーム内の多種多様な専門職に求められる職能を相互に理解し、機能的な連携を図る能力を磨くことを目標としています。
3.3病院の連携による臨床教育・研究
私たちは、3つの大学附属病院合わせて1,800床を超える大型医療機関と、4つの医療系学部、2つの専門学校を有しています。このメリットを最大限にいかし、3つの大学附属病院において、各学部や専門学校の特色に根ざした卒業前・卒業後の教育、医療専門職の職能教育、および臨床現場に直結する研究を展開しています。
4.西洋医学と東洋医学を統合した医療
私たちは、先進医療の担い手である3 つの大学附属病院を持つとともに、わが国最初の東洋医学の総合的な研究機関を備え、西洋医学と東洋医学の長所をいかした治療を実践しています。薬学部の教育・研究部門である東洋医学総合研究所は、東洋医学のパイオニアとして、実証的知見に裏づけられた漢方、鍼灸の科学的解明に取り組み、統合的な医療を目指しています。
5.農医連携の教育・研究
21世紀における予防医学の大きな目標は、ハイリスクへの対応、疾病の発生予防、健康増進と生活の質の向上などの課題に対応することにあります。本学では、予防医学の深化を目指し、生命科学の広汎な領域を網羅する農医連携研究教育センターを2013年に設立しました。食・環境・健康をめぐる現代的課題の解決を目標に掲げ、農医連携の科学、情報発信、プラットフォーム形成、学術交流を推進しています。
6.感染制御の教育・研究
感染症の脅威が世界的な規模で再燃するなか、私たちは、感染制御の基礎研究と教育から、ワクチン・抗感染症薬の「トランスレーショナルリサーチ(開発研究・臨床試験等の実学研究)」までを一貫して進める体制を確立しています。大学院感染制御科学府と大村智記念研究所を中核とし、大学院各研究科を結合した「北里大学感染制御研究機構」の下に、感染症の治療と予防にかかわる教育・研究を推進しています。
7.クリニカルリサーチ
医薬開発は基礎研究の成果を人類に還元するいわば「究極の実学」であり、私たちが最も力を投入してきた領域です。病院内に独自の第I相試験施設を持ち、大学院薬学研究科にカリキュラムを開設して教育・研究を進めています。
8.予防医療
私たちは、明治期に公衆衛生の重要性を説いた北里柴三郎博士の教えを一貫して受け継いでいます。大学院感染制御科学府、大村智記念研究所、感染制御研究機構を設置し、とりわけ感染制御の教育・研究に力を尽くしています。また、各部門が緊密に連携を図りながら、国際競争力のある麻疹、風疹、おたふく風邪、百日咳、インフルエンザなどのワクチンの研究・開発を通して、予防医療の向上に努めています。
9.医工連携の教育・研究
21世紀社会は、人間の価値を軸とする新しい成長のモデルを必要としています。その一つであるライフ・イノベーションは、人間の生活や機能を革新し、健康、医療、介護、育児など広汎な分野が含まれます。生命科学は前進を続け、医療はこれからの成長産業です。再生医療への期待は高く、医工の連携による医療や介護を目的としたロボットの開発もますます盛んとなります。2023年4月に誕生した未来工学部の知見をいかし、医療現場のニーズを反映させた新しい医療機器を研究開発して、健康寿命の延伸に貢献します。