北里研究所の誕生(1914 -)

北里研究所の誕生(1914 -)

北里研究所の誕生

1892(明治25)年、現在の東京都港区芝公園に建坪10坪ほどの小さな建物が建った。それが、ドイツ留学から帰国したばかりの北里柴三郎が、福沢諭吉等の支援を受けて開設したわが国初の私立伝染病研究所である。2階建て、上下6室の所内に北里は住み込み、昼夜、研究に没頭した。柴三郎によるペスト菌の発見、志賀潔による赤痢菌の発見、秦佐八郎とパウル・エールリッヒによるサルバルサンの創製など、多くの伝染病の研究成果は世界を驚かせた。

この研究所を基盤として、国立伝染病研究所を経て1914(大正3)年11月5日、北里研究所が創立された。翌年には現在の白金キャンパスの地に所屋が完成。総面積772坪、外観は恩師ローベルト・コッホが所長を務めたドイツ国立伝染病研究所を範としたものといわれ、当時の近代建築の花形であった。開所式はコッホの誕生日に合わせて、同年12月11日に盛大に挙行された。

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