新着情報
2017(平成29)年12月1日
関係者 各位
学校法人北里研究所
理事長 小林 弘祐
理事長 小林 弘祐
声明文
「北里第一三共ワクチン株式会社」に係る合弁事業化契約の解約について
このたび「学校法人北里研究所」は、平成22年11月30日付「第一三共株式会社」との間で締結した『合弁事業化契約』に基づき平成23年4月1日に設立された、「北里第一三共ワクチン株式会社」が営むワクチン事業について、両法人の間で真摯に検討を重ねた結果、北里柴三郎博士の実学の精神を継承した「北里第一三共ワクチン株式会社」のワクチン事業が、日本におけるワクチン事業として更なる発展を目指すため、平成29年11月30日付にて、本法人が所有する「北里第一三共ワクチン株式会社」の全株式を「第一三共株式会社」へ譲渡するとともに、合弁事業化契約を解約いたしました。
第一三共(株)プレスリリース「北里第一三共ワクチンの完全子会社化に関するお知らせ」
第一三共(株)プレスリリース「北里第一三共ワクチンの完全子会社化に関するお知らせ」
本法人の設立母体となった「社団法人北里研究所」は、大正3年(1914年)にわが国で初めての私立の医学研究所として北里柴三郎博士によって創設され、その定款第1条にあるように「各種疾病の原因及予防治療方法の学理及応用の研究」をし「予防消毒治療材料の検査及予防治療品の製造に従事し国民保健の向上に寄与する」を目的に、人類の健康維持に役立たせるべく、病原体の研究のみならず、血清療法、化学療法、ワクチンなどの研究・開発を行ってまいりました。戦争や経営難にも見舞われた永い歴史の中で、特に『製造部』と称されたワクチン部門は多くの所員の献身的な努力で発展し、その収益は北里研究所を経済的に支え続け、北里柴三郎博士から引き継いできた研究の成果を社会に還元するという実学をも具現化してきました。また、学校法人北里学園の創立と発展の過程では、この『製造部』による収益等を源泉とする「社団法人北里研究所」の資産のほとんどが供出されました。
『製造部』の人体用ワクチンと動物用ワクチン部門を統合し設置した生物製剤研究所は、平成20年4月の社団法人北里研究所と学校法人北里学園との法人統合により誕生した学校法人北里研究所の収益部門と位置づけられました。しかし、法人統合直後から、ワクチンをめぐる環境は劇的に変化し、鳥インフルエンザ等のパンデミック対策、海外メガファーマーによるワクチン事業参入など、めまぐるしい状況変化に即座に対応することが求められるようになり、学納金を主たる運営資金源とする学校法人が医薬品事業を有することのリスクを軽減しながら、一方で北里研究所の歴史と伝統でもあるワクチン事業を継続するために、慎重に議論を重ねた結果、製薬企業との合弁によりワクチン製造販売を業とする新会社を設立することが最良であると判断し、平成23年4月1日、「第一三共株式会社」との合弁会社である「北里第一三共ワクチン株式会社」設立に至りました。
「北里第一三共ワクチン株式会社」は、平成27年6月30日と平成29年9月29日の2回にわたり第三者割当増資を実行しましたが、学校法人北里研究所は追加の出資をしない事が合弁事業化契約には明記されており、「第一三共株式会社」に増資の全額を引き受けていただきました。2回の増資の結果、本法人の持ち株比率は6.7%にまで低下し、株主総会の議決権行使の権利・権限が大きく制限されるようになった事と、ワクチン事業には、より迅速で柔軟な意思決定を要する事を思料し、両法人の間で真摯に検討を重ねた結果、今回の、合弁事業化契約の解約に関して合意するに至りました。
この合弁事業を遂行するために本法人から多くの職員が転籍されましたが、「第一三共株式会社」には、本合弁契約の解約及び合弁事業の解消を理由として「北里第一三共ワクチン株式会社」において何ら不利益な取扱いを受けないことを表明し保証することに合意いただいております。転籍された皆様が、これまで合弁会社において中心的役割を担っていただいた事に感謝するとともに、本合弁事業化契約解約後も、北里研究所創立の精神を引継ぎ、日本におけるワクチン事業の発展に、引き続き尽力していただきたいと思います。
北里研究所の歴史と伝統でもあるワクチン事業の継続を断念する事は忸怩たる思いもありますが、学校法人として北里研究所は、本合弁事業化契約解約後も、「第一三共株式会社」及び「北里第一三共ワクチン株式会社」とのワクチンに係る研究・開発への協力は惜しまず、現在の良好な関係を維持し、「いのちを尊(たっと)び、生命の真理を探究し、実学の精神を持って社会に貢献する」という学校法人北里研究所の理念を、高く掲げ続けていく所存です。
以 上
本件に関する問い合わせ先
学校法人 北里研究所 総務部 広報課
TEL:03-5791-6451
Mail:kohoh@kitasato-u.ac.jp
TEL:03-5791-6451
Mail:kohoh@kitasato-u.ac.jp