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分子の大きさで円偏光発光の回転方向を制御できる環状キラル色素を開発

 北里大学大学院理学研究科の長谷川真士講師、真崎康博教授と近畿大学理工学部応用化学科の今井喜胤准教授の研究グループは、「ナフタレン分子を環状に規則正しく並べる」という単純な分子設計で、強い円偏光発光(CPL: Circularly Polarized Luminescence)を示す色素を開発しました。
 CPL色素は三次元ディスプレイや暗号通信に応用が可能な円偏光発光を示す色素ですが、偏光の強弱や回転方向などの性質と分子構造との相関がよくわかっておらず、合理的な材料設計が困難な状況にあります。光学活性な分子から強力なCPLを得るには、「光るユニット」をどのように配置するのか?が鍵となります。今回、「光るユニット」として、キラル(鏡像関係にあり重ね合わせられない位置)に配置したサブユニット(ビナフチル)を用意し、環状に繋げたところ、強いCPLを観測しました。また、環のサイズによって「光るユニット」の配置が変化するため、円偏光の回転方向の制御も可能となりました。これは従来よく分かっていなかった「分子構造とCPLの相関」を実験的に明らかにしたものであり、今後、CPL 色素を用いた機能性光学材料の設計への重要な指針を得たと言えます。
〔掲載雑誌〕
Chemical Communications (Impact Factor: 6.290)
〔題名〕
Stereogenic Cyclic Oligonaphthalenes Displaying Ring Size-Dependent
Handedness of Circularly Polarized Luminescence (CPL)
(サイズによって掌性が変化するキラルな環状オリゴナフタレン)
〔著者〕
野島裕騎(北里大学大学院生)1、長谷川真士(北里大学講師、主著者)1、原伸行(近畿大学大学院生)2、今井喜胤(近畿大学准教授、主著者)2、真崎康博(北里大学教授)1
1北里大学、2近畿大学
〔DOI〕
10.1039/C8CC08929A
※プレスリリースはこちら(436KB)

本件に関するお問い合わせ先

① 北里大学大学院理学研究科 分子機能化学講座 講師 長谷川真士 
TEL:042-778-8158
E-mail:masasi.h@kitasato-u.ac.jp
② 近畿大学 総務部広報室 加藤・今井 
TEL: 06-4307-3007
E-mail:koho@kindai.ac.jp

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