新着情報
北里研究所と結核予防会が包括的連携協定を締結しました
2019年2月7日(木)15時から、北里大学白金キャンパスで、学校法人北里研究所(東京都港区)と公益財団法人結核予防会(東京都千代田区)が包括的連携協定を締結しました。これは、両法人の歴史的背景に鑑みてきわめて意義深く、今日においても以下のような意義を持っています。
結核史の共有について
北里研究所は、北里柴三郎博士に始まる明治から第二次世界大戦前までの長年にわたる結核に関わる歴史を有しており、結核専門病院「土筆ヶ岡養生園」に関する資料は1945(昭和20)年の戦災により殆どの資料が焼失したものの、北里柴三郎記念室には多くの歴史的資産が保管されています。一方、結核予防会に所属する結核研究所は、結核に関わる約66,000冊に及ぶ図書及び逐次刊行物等を保管しており、両法人とも結核療養の歴史を紡ぎ世界文化遺産を目指す東京都清瀬市と、2018(平成30)年7月に個別的連携協定を締結したところです。
結核・抗酸菌症に関わる教育・研究の連携について
結核予防会結核研究所は、わが国唯一の結核を専門とする結核研究所であり、結核を中心とする抗酸菌研究を進めています(平成30年度文部科学省科学研究費助成事業:新規5件、継続4件)。また、結核研究所及び複十字病院は、それぞれ基礎抗酸菌症学、臨床抗酸菌症学について長崎大学連携大学院となっており、教授4名、准教授1名のもとに大学院生を受け入れています。北里大学とも、結核・抗酸菌症に関わる教育・研究の連携推進が可能です。
マクロライド研究の連携について
2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智北里大学特別栄誉教授が発見されたイベルメクチンは放線菌がつくり出すマクロライドであり、大村智博士はびまん性汎細気管支炎の治療法であるマクロライド少量長期療法を発見した工藤翔二結核予防会理事長とともに、マクロライド「新作用」研究を推進されています。一方、結核予防会複十字病院は、東日本唯一の高度結核専門施設(厚生労働省)であるとともに、クラリスロマイシン(マクロライド)を主力薬剤とする非結核抗酸菌症について1,000例を超える症例を有するわが国最大の診療施設です。マクロライド「新作用」研究とともに、結核及び非結核性抗酸菌症の新たな治療薬の創出への協同が期待されます。