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湾曲構造を利用した凝集誘起発光色素を開発

 北里大学理学部化学科の上田将史助教、國分未来(大学院理学研究科 修士課程2年)、真崎康博教授は、植物性芳香族ラクトン化合物であるクマリンをプロペラ状に縮合した三脚巴状分子の合成に成功し、特異な湾曲構造を有する新たな蛍光色素を開発しました。
 本研究では、一般的に蛍光色素分子の自由回転を抑制することによって生じる凝集誘起発光(AIE)という現象を、分子反転の抑制によっても発現することを見出しました。本分子系におけるAIE強度は希釈溶液と比べて5〜100倍程度上昇することが明らかとなっており、凝集体の形成に伴い、より強い蛍光発光を示す有機色素の開発に成功しました。今後、有機ELディスプレイやバイオイメージングなどへの応用が期待されます。

論文情報

掲載誌: ChemPhotoChem 電子版(欧州化学協会)
論文名: Triskelion-Shaped π-Luminophores Bearing Coumarin: Syntheses, Structures, and Luminescence Properties
(クマリンを有する三脚巴状π共役系発色団の合成と構造、発光特性)
著 者: 上田将史(北里大学助教、責任著者)、國分未来(北里大学修士課程2年)、真崎康博(北里大学教授、責任著者)
DOI: 10.1002/cptc.202000049(本文)
10.1002/cptc.202000232(表紙)

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