北里柴三郎,法人統合,大村智名誉理事長

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大村智名誉理事長による挨拶

 

名誉理事長 大村 智

 本日はご来賓の先生方をお迎えいたしまして、北里先生の77年祭という節目の日に両法人統合記念祝賀会を開催できますことは、大変嬉しく、また、ありがたく思っております。

 先ほどは新法人として最初の北里祭をつつがなく終えることができましたことを、厚く御礼申し上げます。

 振り返りますと、大正3年(1914年)北里柴三郎先生によって北里研究所が創立され、その3年後には慶應義塾大学医学科の創設を北里研究所を挙げて支援いたしました。また、戦災、復興期の苦難を、研究所の先輩たちは研究や運営に大変な苦労をして乗り越えられました。ワクチンに頼る経営は、給料の遅配や分割払いなどが続く、まさに綱渡りでありました。そのような状況下で研究所の発展を目指して、当時の先生方は9割以上と言っていましたが、資産の大半を投じ北里学園を創立した先輩の先生方の英断とご苦労を、我々は忘れてはならないと思います。一方、学園創立後には北里研究所の運営の危機がありましたが、これをも乗り越えて統合に向けた環境が整えられ、統合が成立いたしましたことは誠にご同慶の至りであり、本日お集まりになられました皆様と共にこの日を祝いたいと思います。

 この統合について今日までの歩みを、私なりに振り返ってみますと、半ば私事ではございますけれど、私は平成2年(1990年)に北里研究所の理事・所長に就任いたしました。そして、翌3年には統合をも視野に入れた両法人の再編成の必要性を論じた―――いわゆる大村レポートと呼んでいますが―――、それを作成し、当時の学園の理事長西山保一先生にご覧いただきました。ついで、研究所の若手を中心とした21世紀委員会を発足させ、各部門から選ばれた15名により、山田陽城委員長のもとで今後の北里研究所のあり方を検討していただいた結果、学園との統合が望ましいという内容を含む答申が出てまいりました。これが平成5年(1993年)のことでございます。その次に北里研究所・北里学園関係検討委員会を発足させました。水之江委員会と呼んでいましたこの委員会には、水之江公英先生を始め11名の錚々たる先生方にご参加願って、今後の両法人のあり方について協議をしていただき、平成7年に答申を受けました。その中にはまず、将来に亘って北里研究所という名前を残すこと、北里研究所病院の建て替えを最優先課題にすることなどが含まれていました。統合に先立ち、北里研究所病院の建て替えは数年前に終え、現在立派に活動中です。他にも、今回の統合により解決した問題もあり、今後の運営にかかっているものもあります。

名誉理事長 大村 智

 話を戻しますが、この答申を発展させ、北里学園との話し合いが始まりました。まず、《社団法人北里研究所が北里学園・北里大学を創立した経緯と現状を見て、両法人は不可分の関係にあるということを改めて認識する》という文章を取り交わしました。平成11年(1999年)10月のことです。一方、研究所としては、統合後も新法人に迷惑がかからないように経営基盤の充実に努めるとともに、いわばオール北里の魂というべき北里柴三郎記念室の充実を図ることにいたしました。学園との間では、当時の理事長佐藤登志郎先生との話し合いのもとでK2プロジェクトを編成し、話し合いを進めました。その後、SK150委員会および寄附行為等改定委員会を通じまして、熱心に話し合いがなされました。結果、平成13年7月には、基本合意書を締結するまでになりました。しかし残念ながら、その折には、まだ学園が統合に向けた意思決定にいたらず、統合は延期になってしまいました。その後、平成15年(2003年)柴忠義先生が理事長に就任されますと統合推進に向けリーダーシップを発揮され、学園関係者の意思統一がなされました。そして、北里研究所の名前も残されることになりました。お陰様でその12月には両法人で統合に関する覚書が再締結され、具体的な協議を再開することができました。その後のことは「両法人統合委員会ニュース」や「統合だより」にありますように、両法人の多くの関係者の皆様の努力によりまして本年4月1日より学校法人北里研究所・北里大学が発足することができたのです。

 『回り道は近道だ』という言葉があります。両法人の統合に向けて多少の回り道がありましたが、これは旧両法人にとって互いを理解する上で良かったと思います。今や総資産、活動規模、それに知名度も我が国屈指の学校法人北里研究所・北里大学が誕生したのであります。

 そして、きょう、このような記念すべき日に先ほど申し上げましたような先輩たちのご苦労と偉業を学びつつ、これからも北里柴三郎先生の教えを守り発展させ、充実した研究、教育、医療、そして社会活動を展開し、一層優れた伝統を築き上げることが望まれます。

 大きな法人ともなりますと、ややもすると規程に縛られ、そこから一歩も出なくなるといった硬直化を引き起こすことが多くみられます。しかし、各部門にあっては職員一人ひとりが明日へ向かって自分のなすべき義務と任務を創造することにより、柔軟で活気ある学校法人北里研究所・北里大学として発展していけるものと信じております。

 さて、最後に、本日ご出席の多数のご来賓の方々にこれまでのご支援に感謝申し上げますとともに、今後とも引き続きご指導・ご支援を賜りますようにお願い申し上げまして、私の挨拶に替えさせていただきます。

 ありがとうございました。

名誉理事長 大村 智
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