学校法人北里研究所

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生物製剤研究所の技術が、ベトナム初の国産麻疹ワクチンの製造に貢献しました

 学校法人北里研究所で人や動物向けのワクチンの研究開発や製造を手がける生物製剤研究所は、2006年から、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施している「ベトナム国麻疹ワクチン製造基盤技術移転プロジェクト」に参画しています。

 ベトナムでは乳幼児死亡率の低減および感染症流行抑止のため、6大疾患(ポリオ、ジフテリア、百日咳、破傷風、結核、麻疹)の予防接種を推進するとともに、ワクチンの国内生産に取り組んできました。ベトナム政府の要請により、このプロジェクトは、品質の高い麻疹ワクチンの生産体制をベトナム国内で築きあげ、安定した自国供給ができるように、同国のワクチン公社である「ワクチン・生物製剤研究・製造センター(POLYVAC)」に対して、技術協力をしているものです。

 プロジェクトを通じ、生物製剤研究所から派遣された専門家の熱心な指導の下で、POLYVACは2008年3月までにワクチン原液を製剤化し、この麻疹ワクチンの安全性と高い有効性が臨床試験により確認されました。そして、今年の5月21日、生物製剤研究所の技術協力により製造された麻疹ワクチンのベトナムでの販売が、同国政府に承認されました。なお、今回承認されたワクチンは、生物製剤研究所から供給したワクチン原液を用いて製剤化したものですが、プロジェクトは既に種ウイルス(AIK-C株)からワクチン原液を作り、それを製剤化したワクチンを完成させており、第2回目の臨床試験を現在実施中です。早ければ今年中に第2回目の麻疹ワクチンの販売がベトナム政府から承認される見通しです。同国ではこれまで、麻疹ワクチンを輸入に頼っていましたが、自国での生産体制が確立したことで、今後、子供たちに接種され、麻疹の予防に役立つことが期待されています。

 この麻疹ワクチンは、同国で初めて、世界保健機関(WHO)の医薬品適正製造基準を満たすものであり、品質の高さもお墨付きです。

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