北里大学獣医学部附属フィールドサイエンスセンター八雲牧場では、輸入飼料に依存しない100%牧場産の自給牧草飼料だけで赤身牛肉を生産するシステムを開発。このたび、食料自給率アップに向けた国民運動「フード・アクション・ニッポン アワード2010」研究開発・新技術部門の優秀賞を受賞しました。
フード・アクション・ニッポン 受賞マーク |
「フード・アクション・ニッポン」は、国産農産物の消費拡大を具体的に推し進めることを目的として立ち上げられた国民運動です。「フード・アクション・ニッポン アワード」はその一環として創設され、食料自給率向上に寄与する事業者・団体等の取り組みを一般から広く募集し、優れた取り組みを表彰しています。開催2回目となる2010年度には全国から2509件の応募があり、45件が受賞。2月1日に表彰式が行われました。
会場となった東京国際フォーラム内の ごはんミュージアム |
審査委員と並ぶ 牧場を代表して出席した萬田富冶客員教授(中央) |
八雲牧場のブース。 各受賞者が趣向をこらした展示を行った |
審査委員によるトークセッション |
※「フード・アクション・ニッポン」Webサイト http://syokuryo.jp/index.html
八雲牧場は、総面積約350haという広大な敷地を生かして多品種の肉用牛を約270頭飼育し、資源循環型牛肉生産の実践研究を行っています。国内の飼育牛経営における飼料自給率が約2.0%(平成21年度)といわれるなか、輸入飼料に依存しない100%牧場産の自給牧草飼料だけで赤身牛肉を生産するシステムを開発。この技術の普及により、耕作放棄地の解消、奥山草地・島嶼等の低・未利用地の利用が可能となります。省エネ、低コスト飼養方式を確立するとともに、2003年には除草剤利用を完全廃止、2005年から化学肥料の使用も中止しました。農薬や化学肥料を使用せず、環境と調和した牛肉を持続的に生産することにより、安心・安全な牛肉を求める消費者の期待に応えるとともに、食料自給率の向上に大きく寄与することができると考えています。
現在、開発した赤身牛肉生産システムを地域に普及させており、今後日本各地への技術移転が期待されます。そこで生産された赤身牛肉を適正に評価し、生産者が再生産可能な価格で購入できる業者を求めています。
北里大学獣医学部附属フィールドサイエンスセンター(FSC)八雲牧場
〒049-3121北海道二海郡八雲町上八雲751
TEL: 0137-63-4362 FAX: 0137-62-3042
E-mail: nakai◎kitasato-u.ac.jp (注)◎は「@」(アットマーク)を示します。
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